2007年06月06日

fire fly

蛍の光は人の魂を移して光る。
そんな話を、川原で蛍を愛で乍していた。
ならば彼の愛する人も、私が嘗て愛した人も、
あの淡い緑の光となって揺らいでいるのかもしれない。

指を伸ばす、光へと。
指先に止まった蛍一匹、此れがあの人だったら何と声を掛けただろう。
『オカエリ』と言おうか、それとも『お帰り』と言おうか。
もう道を違えてしまった、貴方の魂は今も揺蕩っているだろうか。

密やかなる美徳は何とやらではないが蝉より蛍のように
一つ一つ生み出す光と言う名の想いを控えめ乍も相手に示したい。
焦がれる感情が瞬きとなる、愛しい、愛しいと点る毎に囁く、音では無い表現。

あの時叫んだ自分は蝉だった、終わり告げた夏に向けて叫んでいた。
ある意味純粋、悪く言えば子供。
尤も今だって子供じみていると思うのだが、多分もう叫べない。
だけれどその代わりに今を大事にしたいと矢張り思う。



鳴かぬ火垂るが身を焦がす、なら。
何時だって確実に自分は焦がれていたのだろう。
ただ赤裸々に出るのでは無く、滲むように示して。

周りにも蛍がふわふわと舞っている。


甘い水で誘わないで。


『宣言してからでは無く自然に涙零して欲しい』
思い出して泣いた。

―――ほら、今は出来ている、でも見る人は居ない。
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posted by 橘 at 06:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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